①腰椎椎間板ヘルニア
身体を支える役割を果たしている脊椎(背骨)は24個の椎骨で形成されています。また下の5個の椎骨のことを「腰椎」と呼び、椎骨と椎骨の間に「椎間板」という軟骨があります。
椎間板は、椎骨に加わる衝撃を分散させるクッションのような役割を果たしています。しかし、加齢や激しい運動によって椎間板の一部が変性し、外に飛び出してしまうことがあり、この状態を「腰椎椎間板ヘルニア」と呼びます。
飛び出した状態の椎間板を放置してしまうと神経などが圧迫され、強い腰痛や脚の痺れを引き起こす場合があります。
②腰部脊柱管狭窄症
背骨の中にある神経の通り道のことを「脊柱管」と呼びます。脊柱管狭窄症とは、背骨の変形、脊柱管を構成する骨や靭帯の肥厚、椎間板の変形などが原因となり、脊柱管が圧迫されて狭くなる状態のことです。
神経が圧迫されるため、立ち上がり、歩く時に腰痛や下半身の痺れが起きます。歩くと症状が悪化し、少し休むと痛みが和らぐという脊柱菅狭窄症に特有の「間欠性跛行」と、前屈すると症状が軽減する特徴があります。
③腰椎圧迫骨折
腰椎圧迫骨折は、骨密度の低下が主な原因で、腰椎に大きな圧力が加わった時に、椎体がつぶれてしまう骨折のことです。高齢者やホルモンなどの影響で骨密度が低下しやすい女性に多くみられ、激しい腰痛を訴えるのが特徴です。転倒や重い荷物を持った時、日常生活におけるささいな動作による負荷で骨折する場合もあります。
④腰椎分離症・腰椎すべり症
腰椎の後方部分にある椎弓(ついきゅう)と呼ばれる部分が分離した状態を腰椎分離症と呼びます。さらに椎弓の左右両側が分離し、腰椎が前にずれてしまう状態を腰椎すべり症と呼びます。
腰を反らした時に起こる腰痛が主な症状ですが、進行すると下肢に痛みが出ることもあります。しかし、安静時に無症状であることが多いため発症に気づかないケースもあります。
ジャンプや腰をひねる動作などを繰り返すことで起こり、中学生や高校生のスポーツ選手に多く見られます。